ATMOS-41 複合型気象計測ユニット ATMOS-41
全天日射計
日射計は、上部の雨量計の淵部分に一体化された全天日射計によって測定します。Apogee社によって設計、製造、校正された小型全天日射計は、シリコンセンサーを用いて(直接及び散乱による)日射の総入射量を測定します。
超音波式風向風速計
雨量計の下部にある空間で風向と風速を測定する二次元超音波風向風速計です。変換器から互いに正しい角度で放射された超音波信号は、多孔質のセラミック板からはね返り、反対側のセンサーに戻ります。音速は風の影響を受けます。風速は音がセンサー間を行き来するのにかかる時間差で測定します。
蒸気圧センサー
蒸気圧センサーは、超音波風向風速計の音波変換器と同じハウジング内にある円形のテフロンスクリーンの後ろに配置されています。テフロンスクリーンは、水蒸気を透過させて空気蒸気圧と平衡を保つ一方、センサーを水や埃から保護します。
センサーは相対湿度と温度を測定し、センサー温度に相対湿度を乗じて飽和蒸気圧を計算します。蒸気圧は相対湿度とは異なり、温度に依存しません。相対湿度センサーが大気と同じ温度にない場合でも、相対湿度センサーの蒸気圧は同じです。さらに、位相水搬送率(蒸発、蒸散、水蒸気の分布)を制御するのは大気の蒸気圧です。従って、蒸気圧は相対湿度よりもはるかに有用な大気湿度の尺度です。
雨量計
ATMOS-41は直径9.31cmの雨量計を含みます。降雨の間、張り出した穴は、ドリップカウンターを通過して雨滴を形成します。バネはゴミなどの大きな粒子が入らないようにフィルターとして機能しますが、水が逆流しないように適切な流量を確保します。電極は、それぞれの雨滴を測定し、張り出した穴が既知のサイズの滴を作り上げ、滴の数を計測して水量を計算します。雨が強くなるにつれて滴は小さくなりますが、ATMOS-41のファームウェアは、雨量が増すにつれて滴のサイズを自動補正します。
温度センサー
温度センサーの測定は、超音波風向風速計の中央領域で行います。音波変換器の中央から伸びるステンレス針が温度センサー(サーミスタ)の働きをします。ほとんどの大気温度測定とは異なり、ATMOS-41の測候装置のセンサーは太陽熱から保護するためのルーバープレートで覆われていません。代わりに、外気中にあって装置本体が浴びる太陽熱を受けやすくなっています。しかし、日射量と風速が既知であるため、ATMOS-41は大気温度を正確に算出します。これらは測定気温と実際の気温の誤差を決める2つの主要なパラメータです。従って、本体のソーラー負荷と温度センサーの対流冷却に基づいて実際の温度を求めることで、エネルギーバランスを解決することが可能です。
雷センサー
雷センサーはAMラジオのように機能します。雷雨の間、雷光はAM信号を中断します。センター内部の集積回路はこの雷鳴音(パチパチ音)を聞き取り、センサーが外乱を検出すると落雷の時間と距離(信号強度)を記録します。センサーは計測期間中の落雷数と落雷までの平均距離を出力します。雷センサーの感度はProCheckを用いて調整するとこができます。
気圧センサー
気圧センサーは相対湿度センサーの隣にあるテフロンスクリーン内部に配置されています。これはATMOS-41が設置されている環境の大気圧を測定します。50~101KPaという広範囲の測定に適していますが、センサーの出力の大きさは設置高度に依存し、主に天候によって微妙に変化します。
その他の機能
傾斜センサー:ATMOS-41には水準器が装備されていますが、スマートフォンに搭載されているものと類似した傾斜センサーも装備されています。装置を水平にするためにこの機能を用いることもできますが、水準器を用いる方がはるかに簡単です。傾斜センサーの主目的は、ATMOS-41が常に水平であることを確認するためです。水平は2~3度外れただけでも雨量や日射量の測定に誤差が生じることがあります。「X」及び「Y」傾斜データからATMOS-41の水平を確認できます。
全天日射計 | 測定範囲 0~1750W/m2 分解能 1W/m2 精度 ±5% |
雨量計 | 測定範囲 0~125mm/h 分解能 0.017mm 精度 ±5%(0~50mm/h) |
蒸気圧 | 測定範囲 0~47kPa 分解能 0.01kpa 精度 40℃以下で±0.2kPa ※温度、湿度により異なる 詳細な精度はこちらをご覧ください。 |
相対湿度 | 測定範囲 0~100% 分解能 0.1% 精度 ±3%RH ※温度、湿度により異なる 詳細な精度はこちらをご覧ください。 |
気温 | 測定範囲 -40~50℃ 分解能 0.1℃ 精度 ±0.6℃ |
湿度センサー温度 | 測定範囲 -40~50℃ 分解能 0.1℃ 精度 ±1.0℃ |
気圧 | 測定範囲 50~110kPa 分解能 0.01kPa 精度 ±0.1kPa |
風速 | 測定範囲 0~30m/s 分解能 0.01m/s 精度 0.3m/s 又は3%のどちらか大きい方 |
最大風速 | 測定範囲 0~30m/s 分解能 0.01m/s 精度 0.3m/s 又は3%のどちらか大きい方 |
風向 | 測定範囲 0~359° 分解能 1° 精度 ±5° |
傾斜 | 測定範囲 0~180° 分解能 0.1° 精度 ±1° |
落雷数 | 測定範囲 0~65535 分解能 1 精度 10km以内で25%以上の検出 ※距離により異なる |
落雷距離 | 測定範囲 0~40km 分解能 3km 精度 状況により異なる |
寸法 | 10cm(直径)×34cm(高さ) |
コネクター | 3.5mステレオプラグ、又は3芯先バラケーブル(オプション) |
ケーブル長さ | 5m ※延長、カスタムケーブル可 |
データロガー互換 | ZL6、EM60、EM60G、ProCheck |
制御 | EM60、EM60G以外で使用される場合は、ATMOS-41 インテグラーズガイドをご覧ください。 |
Q&A
Q;センサーのケーブルは延長できますか?
A;可能です。3m(型番;EX10)と15m(型番;EX50)の延長ケーブルをオプションとして用意しております。ケーブル延長時にはコネクターをビニールテープ等で巻き、防水処理を施して使用してください。また、センサー1個に対して延長ケーブルは1本までのご使用でお願いいたします。
Q;製品を購入したい場合はどちらに問い合わせすればいいのでしょうか?
A;各地区にございます販売店や、製品お問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
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